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DC専用ファンド(2020年7月)、コロナショックの動揺が収まり王道のバランス型に回帰

2020/08/07 18:49

 DC専用ファンドの2020年7月の純資金流入額は約362億円で、15カ月連続の資金流入超となった。前月に引き続き、国内株式を除いた株式、債券、バランスにまんべんなく資金流入が続いた。国内株式の流出額は前月の61億円から16億円へと減額したが、REITが約5億円という小幅ながら資金流出に転じた。REITの資金流出は20年3月(約59億円の流出)以来、4カ月ぶり。資金流入の中心は、バランスで約180億円の流入額になった。7月は米国のNASDAQ総合指数が6.8%上昇したことに引っ張られ米S&P500も5.5%上昇と好調に推移したものの、国内株式は日経平均株価がマイナス2.6%と冴えなかった。東証REIT指数は6月のマイナス2.0%に続いてマイナス0.4%と2カ月連続で下落し、REITからの人気離散の要因になったと考えられる。

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※7月の純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成


 DC専用ファンド全体の純資産総額は約6兆1,589億円と前月(約6兆2,489億円)から約900億円減少した。3月のコロナショックによって5兆6,267億円まで落ち込んだ残高は、6月まで3カ月連続で増加していたが、7月は4カ月ぶりに減少になった。資産配分状況は、株式ファンド40%、債券ファンド21%、バランスファンドに37%という割合で前月と変わらなかった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
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出所:モーニングスター作成


資金流入額トップは、三井住友TAM「分散投資コア戦略ファンドS」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位が三井住友トラスト・アセットマネジメントの「分散投資コア戦略ファンドS」になった。第4位に入った「分散投資コア戦略ファンドA」も同じ投資戦略に基づく運用を行うファンド。国内外の株式、債券、REITなどに幅広く分散投資を行うが「S」は株式やREIT等のリスク資産への投資配分比率が75%とリスク資産の配分率が高い。「A」はリスク資産への配分が50%未満となっている。

 これら幅広い資産に分散投資するファンドはDC運用の主力ファンドに位置付けられる。7月の資金流入額ランキングにランクインしたファンドでは、この他にも第3位の三菱UFJ国際投信の「三菱UFJプライムバランス(安定成長型)DC」、また、第6位に入ったアセットマネジメントOneの「投資のソムリエ<DC年金>」などが、代表的なバランスファンドといえる。3月にコロナショックで大きく市場が動揺したが、その安値から世界の株価が大きく戻ったことで安心感が増し、加入者の意識も平常モードでバランス型ファンドを積み立てようという意識に回帰してきたと考えられる。

 そうした中にあって、第7位に入った「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際投信)は過去4カ月連続でDC専用ファンドの中で、トータルリターン1年が第1位になっているファンドだ。成績の良いファンドに資金が入っていくダイナミズムも回復しつつあるようだ。

DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキング

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※2020年7月末時点、純資金流入額は推計値
出所:モーニングスター作成


トータルリターンは4カ月連続「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が1位

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、4カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際)になった。第2位は前月の「大塚グループ株式F(確定拠出年金向け)」(野村アセット)に替わって「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」(野村アセット)だった。

 また、7月は株価が復調してきた中国株に投資する「DCニュー・チャイナ・ファンド」(三井住友DS)が4位、「DCチャイナ・ロード」(岡三)が7位にランクイン。3位に入った国内株式アクティブファンドの「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和)、第5位の「大和住銀DC外国株式ファンド」(三井住友DS)、第6位の「AB・G・グロース・オポチュニティーズDC」(アライアンス)、「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」(ブラックロック)など、特徴のあるアクティブファンドが目立った好成績を残している。

DC専用ファンドのトータルリターン(1年)ランキング

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※2020年7月末時点、純資金流出入額は推計値
出所:モーニングスター作成

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