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全ての従業員を投資家に、5円から1円単位で投資体験=TORANOTEC「トラノコ福利厚生」

2019/11/19 18:04

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トラノテック 取締役
シニア マネジング ディレクター
藤井亮助氏
 企業型DC(確定拠出年金)のガバナンスが強く意識されるようになり、「DC導入企業は、掛け金を拠出するだけで責任を全うしたことにはならない」とされ、2018年5月1日施行の改正確定拠出年金法で、DCの継続投資教育は努力義務に位置づけられた。そのような投資教育の第一歩として、トラノテック社が提供する「おつりで投資 トラノコ」の活用が提案されている。「5円から1円単位で投資ができる『トラノコ』を従業員の方に使っていただき、まずは少額でも投資を始めることで、投資や資産運用に対する心理的なハードルが下がります。それがステップとなって投資への興味関心が高まる効果があります」(トラノテック取締役シニア マネジング ディレクター藤井亮助氏=写真)と、導入を検討する企業が増えているという。藤井氏に「トラノコ福利厚生」のサービスの内容等について聞いた。

 ――トラノテックとは?

 「すべての人を投資家に」をモットーに、おつりで投資サービス「トラノコ」を提供しています。投資が誰にとっても身近になるように、スマートフォンのアプリを使って、分かりやすく、使いやすいサービスをめざしています。

 「トラノコ」は、5円以上、1円単位で投資が可能です。実際に投資するのは、100%子会社のTORANOTEC投信投資顧問が運用する3本の投資信託です。安定重視の「小トラ」(トラノコ・ファンドⅠ)、バランス重視の「中トラ」(トラノコ・ファンドⅡ)、そして、リターン重視の「大トラ」(トラノコ・ファンドⅢ)は、世界の株式・債券・REIT・コモディティなどに投資する15本のETF等を組み合わせたバランスファンドです。

 また、「おつり」という現金のみならず、ANAマイルやnanacoポイントなどのポイントも使えます。また、G-Point、PointTown、NetMile、RealPayといったポイント交換サービスも使えます。普段の生活の中で自然とたまってくるポイントや、買い物のたびに出てくるおつりなどを投資に回す習慣をつけてもらうことで、いつのまにか資産形成に馴染んでいくことができます。

 皆さん、「投資」と聞くと「怖い」「難しそう」「まとまった資金がないと始められない」などの印象を持っています。このため、なかなか投資の第一歩が踏み出せないという方が非常に多いのですが、「買い物のおつり」や「買い物でもらえたポイント」であれば、それほど身構えることなく、「試しに投資してみよう」と思っていただけます。「トラノコ」の効用は、「投資することに対する心理的なハードルを下げること」にあると思っています。

 そして、「トラノコ」の利用が始まると、市況の変動を解説する「ウィークリー解説」やグローバル市場の日々の上げ下げなどが、スマートフォンのアプリ上で確認できます。市況変動などは、グラフ等を使って直感的にわかるように工夫していますので、その画面を見ているだけで、徐々に市場の変動などへの情報感度が高まり、金融リテラシーの向上が期待できます。

 そこで、ボーナスの余裕資金を投資してみようという気持ちになれば、トラノコ・ファンドをスポットで買い増ししていただくこともできますし、証券口座等を開設して公募投信や株式を購入するという方もいます。「トラノコ」を始めるまでは、投資に一切縁のなかった方々が、投資に踏み出していくきっかけになっています。

 「トラノコ」のサービスは2017年8月にアプリをリリースしましたが、このような投資のきっかけ効果を評価していただいて、みずほ銀行、大垣共立銀行、中国銀行が提携パートナーになっていただきました。

 ――「トラノコ福利厚生」は、企業向けにカスタマイズしたサービスですか?

 「トラノコ」のサービスそのものを従業員の方々に利用していただくサービスです。「トラノコ」の利用には、アプリの利用料として月額300円(税込み)、そして、ファンドの運用費用(信託報酬)として運用資産に対して年0.33%(税込み)の運用コストが必要になります。このうち、アプリの利用料である1人当たり月額300円の費用を導入した企業の負担として支払っていただきます。この費用負担は、「トラノコ」を実際に利用している従業員の人数分だけいただきます。導入にあたってシステム構築等の初期費用は不要です。初期コストゼロ、無駄払いゼロで、従業員の資産形成を支援する福利厚生サービスとしてご利用いただくことができます。

 福利厚生サービスというと、導入にあたってコンサルを受けたり、様々な契約書などの書類手続きがあって、導入が面倒で、しかも、その制度を維持する手間もかかると重荷に感じられる企業担当者の方が少なくありません。しかし、「トラノコ福利厚生」は、月1回の社員の利用人数と在職確認を行うだけです。人数分に300円をかけた費用を指定口座に振り込むだけで全ての手続きが完了します。従業員が100人でも、毎月の費用は3万円だけです。これで、「お金が貯められる会社」「お金のことを一緒に考えてくれる会社」として社員の定着向上に寄与します。

 このような仕組みですから、正社員だけでなく、パートやアルバイトなどの非正規雇用の従業員への展開も容易です。近年の人手不足で、優秀なアルバイトには長期で働いてほしいという企業の声を聞きます。小さな負担でアルバイトにも福利厚生の制度があることがアピールできると評価してくださる企業担当者の声を聞きました。

 ――制度普及のために、どのような取り組みをしていきますか?

 11月6日にリリースし、その後、11月13日~15日に大阪で開催された「関西福利厚生EXPO」に出展し、多くの企業の人事・福利厚生担当者に「トラノコ福利厚生」について説明しました。今後も従業員に資産形成の習慣をつけてもらうツールとして「トラノコ福利厚生」の採用を働きかけていきたいと思っています。また、「トラノコ福利厚生」の専用WEBサイトも開設し、情報提供に努めています。

 企業の人事担当の方々の話を聞くと、福利厚生について「メンタルヘルスや健康増進、あるいは、カフェテリアプランなどをつかった余暇・レジャーの分野は充実しているものの、財形貯蓄などの資産形成に関するサポートは手が届いていない」という声を聞きます。「老後2000万円」が必要といわれ、働き方改革などで非正規雇用の従業員への処遇を見直すようにと社会的に求められるようになっています。そこに、従業員の資産形成をサポートする「トラノコ福利厚生」の価値を感じていただいています。「トラノコ福利厚生」をステップにして、企業型DCやiDeCoプラスなどにステップアップすることも方法だと思っています。

 また、「トラノコ」の利用者は、20代~40代が85%を占め、利用者の65%は「トラノコ」を始めるまでは投資経験が一切なかった方々です。その方々が、「トラノコ」で投資を始め、それが続いています。「トラノコ」の利用者は、毎月300円が自己負担ですが、「トラノコ福利厚生」は、利用者の負担は運用残高の年0.33%のみです。それで、世界に幅広い分散投資ができます。従業員の方々には大変喜ばれるサービスです。広く利用いただけるように紹介していきたいと考えています。

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