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資産形成を「自分ごと」にするため加入者エンゲージメントの向上を=フィデリティDCセミナー

2019/09/11 16:39

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「フィデリティ DCセミナー 2019」パネルディスカッション
フィデリティ投信
 ヘッド オブ DCプロポジション&ソートリーダーシップ 浦田春河氏(左)
bookee取締役COO 辻侑吾氏(写真:中央)
フィデリティ・インベスメンツ バイス・プレジデント エンプロイー リサーチ&インサイト
キャシー・スロービン氏(写真:右)
 フィデリティ投信は9月10日、東京・日本橋で「フィデリティ DCセミナー 2019」を開催した。DC(確定拠出年金)を導入している企業や運営管理機関の担当者を対象としたセミナーで、毎年秋に、その時々の主要なトピックスをテーマとした講演とパネル・ディスカッションを行っている。今年のテーマは「資産形成を『自分ごと』化するためのヒント」。個人向けに金融に関するパーソナルトレーニングを提供するbookee社の取締役COO辻侑吾氏と、米フィデリティ・インベスメンツのバイス・プレジデント エンプロイー リサーチ アンド インサイトのキャシー・スロービン氏が講演した。

 開演にあたってあいさつに立ったフィデリティ投信代表取締役社長のデレック・ヤング氏は、「米フィデリティの初の海外拠点として日本にフィデリティ投信が設立されて50年を迎えた。投信の提供から、年金・機関投資家向けの運用商品の提供、証券子会社を通じた個人向けサービスなど幅広い活動をしているが、DC分野は、主力ファンドの『フィデリティ・日本成長株・ファンド』が2500以上のプランで採用いただくなど、日本一のアクティブファンドマネジャーになっている。DC市場は戦略的に重要なマーケットと考えている。今後もファイナンシャル・ウェルビーイングの実現に向け、積極的な商品提供や情報発信に努めたい」と語った。

 「パーソナルトレーニングで『お金の不安に終止符を打つ』」をテーマに講演したbookeeの辻氏は、「個々人の事情によってニーズが異なるお金の課題を解決するには、マンツーマンのパーソナルトレーニングが相応しい」と昨年6月にサービス開始した「お金のパーソナルトレーニング」について説明した。

 bookee社はサイバーエージェントとライザップ出身者が中心になって設立された会社で、ライザップのパーソナルトレーナーのように、利用者に寄り添って、お金の課題解決に役立つ金融知識やお金に関する良い習慣を身に着けられるようにサポートしていく。コースは15カ月。前半3カ月は、家計の管理から、金融知識の取得など密度高くトレーニングを行い、後半12カ月は習慣化するためのサポートを行う。オリジナルの金融教育プログラムは、日本最大級の総合マネースクールであるファイナンシャルアカデミーと事業提携して開発。また、行動経済学を専門とするウィルPMインターナショナルと、行動科学に基づいた「お金版の行動科学メソッド」を協同開発したという。

 受講料は、29.8万円だが、20代、30代の働く女性を中心に受講が広がっているという。「受講者の年収レンジは300万~600万円。安定的に仕事を続けながら、将来の不安を解消したいというニーズが強い。人生100年時代、年金2000万円不足問題などが耳に入り、漠然と不安を感じながら、実際には行動を起こせていない方がほとんど。ファイナンシャルリテラシーを身に着け行動するところまで導くパーソナルトレーニングでお金の不安を解消してほしい」と語っていた。

 米フィデリティ・インベスメンツのキャシー・スロービン氏は、米国DC市場で約2万2000社、3000万人の加入者にサービスを提供している同社が、「加入者1人ひとりとのエンゲージメントを改善し、加入者のサービスエクスペリエンスをより良くしたい」と考えて取り組んでいる「加入者セグメンテーション」について解説した。「エンゲージメントが悪いと成果が悪い。3000万人の中には、DCに関心もなく、何ら行動を起こさない人も存在する。年齢や性別だけでは、加入者一人ひとりの目標達成を支援することは難しいという問題意識が強かった」とセグメンテーションに取り組んだ背景を説明した。

 そして、7000名を超える大規模なアンケート調査を行って傾向を分析。性別・年齢・勤続年数やDC資産残高などデータと紐づけして有効なセグメントに区分した。(1)給料ぎりぎりの暮らしをしている人、(2)資産形成の基盤構築を目指している人、(3)複数の目標達成を目指している人、(4)退職に向けた資産形成を実践している人、(5)富の最大化を目指している人。(4)と(5)にカテゴライズされる人たちは、経済的に余裕のある層といえるが、この層に入るのはDC加入者の20%程度。(3)の比率が最も大きく35%程度を占めるようだ。

 同社では、このセグメンテーションに合わせて、電話やWebサイトを使ったニーズ別のマーケティングを実施し、新たなツールやプロダクトの提供を行っている。このセグメンテーションの効果として、Webサイトにアクセスした加入者の75%が新しいフィナンシャル・ウェルネス診断ツールを利用。セグメント(2)ではリピート・ユーザーが10%増加。電話応対では加入者のサービス利用満足度が向上し、電話応対の平均時間が減少するという効果があったという。

 DCセミナーの最後は、このたびフィデリティ投信のヘッド オブ DCプロポジション&ソートリーダーシップに就任した浦田春河氏が進行する形で、bookeeの辻氏とフィデリティ・インベスメンツのスロービン氏とのパネルディスカッションを行った。会場の参加者から、直接意見を聞くアナライザーの機能を使って、来場者の意向を取り入れながら議論を深めていった。

 アナライザーの集計結果によると、来場者の約37%が年代や性別などを分けたセグメント別の投資教育を実施し、さらに、約31%がセグメント別教育を検討していると答えた。企業の努力義務に位置づけられる投資教育について、より効果的な方法を取り入れたいと様々な取り組みをしていることが分かった。また、浦田氏からスロービン氏に対して、「米国DCにおいて調査の結果出てきた5つのセグメンテーションは、日本でも有効と思うか」という問いに対し、スロービン氏は「日本の年金市場は米国とは異なり、資金ニーズにも違いがあるだろうから、セグメンテーションは異なるものになると思う」と回答していた。

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