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ポケットにある資産運用支援ツール「みらいナビ」、アプリで未来を豊かにする=未来貯金

2019/09/05 09:32

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未来貯金株式会社
代表取締役社長
板山康男氏
 未来貯金が提供する確定拠出年金(DC)サポートツール「みらいナビ」の利用者が拡大している。この8月には、大手運営管理機関が導入し、同社が提供するDCプランには、標準サポートツールとして「みらいナビ」が提供されるようになり、利用者が一気に広がった。同社代表取締役社長の板山康男氏(写真)に、「みらいナビ」開発の背景と今後の展望を聞いた。

 ――確定拠出年金の運用サポートに特化した会社を立ち上げた経緯は?

 DC法ができる前、生命保険会社でDC向け商品を開発する仕事を担当しました。その際に、自ら運用することで将来の資産を形成するDCは、素晴らしい制度だと感じました。その後、損害保険会社に転職した後も含めて20年以上にわたってDCに関わる仕事を続けてきました。

 損保時代には、DC導入企業の加入者向けDCセミナーで講師も務めたのですが、その際に、個別相談で必ず質問されたのが、「結局、自分はどうしたらいいの?」ということでした。運営管理機関の立場では、個別商品の推奨にあたるような助言ができません。質問してきた方には不満足な回答しかできなかったのです。

 企業型DCの加入者は、自ら望んでDCに加入したわけではありません。投資について知識があるわけでもなく、できれば、資産運用などはしたくないと考えている人が多いのです。セミナーで「ドルコスト平均法」という言葉を聞いても、初めて聞くという方は少なくありませんし、一度聞いたくらいで内容が理解できるものでもありません。セミナーで、DCは自分の責任で年金資産を運用する制度だということを聞かされると、「じゃあ、どうすれば良いの?」と途方に暮れてしまうのです。

 そこで思い至ったのが「カスタマイズ化」です。セミナーや勉強会で、「資産運用とは」という一般化された話を聞かされても、その内容は頭に入ってきません。知りたいのは、「自分はどうすれば良いのか」という一事です。年齢、収入、家族構成、資産の状況など、一人ひとり異なるのですから、より具体的な、その人に合った話でないと受け入れられません。しかし、何百人、何千人という従業員一人ひとりに面談して説明するということは、現実的ではありません。

 そして、スマートフォンが登場しました。手のひらに入るパソコン、常に身に着けておくことができる情報端末です。このスマートフォンを使うことによって、一人ひとりにカスタマイズ化した情報の提供が可能になると考えました。法人の設立は2013年7月。スマホアプリ「みらいナビ」を開発し、一人ひとりの状況や金融知識の水準に合わせた情報提供を開始しました。

 「みらいナビ」は、現在では名目上15万人を超えるDC加入者にご利用いただけるプラットフォームになりました。

 ――「みらいナビ」の具体的な機能は?

 4つの機能があります。まず、資産残高を把握する機能です。資産残高全体の残高だけでなく、保有している各資産の内訳や残高の確認ができます。多くの企業型DC加入者は、自分のDC資産の残高を把握していません。定期的に運営管理機関が送っている残高レポートが届いても開封しないという人もいます。ところが、スマホでいつでも残高確認ができるようにすると、平均で月4回程度は残高を確認するようになります。これは、自分事としてDCを考える第一歩です。

 そして、情報提供の機能があります。その方の年齢や運用割合、市場の変化等を踏まえたメッセージを通知します。

 さらに、運用サポート機能があります。運用商品ごとに評価益の目標を設定し、達成状況を通知する機能があり、その通知をきっかけに、資産のスイッチングや拠出金の配分変更などの行動を促します。

 4つ目は、学習機能です。資産運用に関する知識を習得できる映像コンテンツを用意していますので、いつでも思い立った時に自学自習できます。「みらいナビ」によって、自身のDC残高がある程度大きくなっていることを把握すると、それをほおっておくことはできなくなります。より上手に運用したいという欲もでてきます。そのような時に、自ら思い立って学ぶことによって、より身に付く学習になります。

 ――「みらいナビ」の効果と導入に必要な費用は?

 たとえば、従業員数600名のある企業で導入いただいた事例では、導入前は元本確保型商品での運用比率が約50%だったものが、導入後3カ月で元本確保型が20%となり、バランス型ファンドを中心に、全体に分散投資が進みました。特に、20代、30代という若手従業員の行動変化が大きく、50代を除いて「元本確保型100%」という運用が激減しました。

 DC法の改正によって、企業型DCを導入している事業主には継続投資教育が努力義務化され、社内でDCセミナーなどを企画する機会が増えているようですが、良く聞くのは、セミナーを企画しても従業員が集まらない、従業員がDCに関心をもってくれないという悩みです。「みらいナビ」は、スマホに搭載するだけのツールなのですが、DC加入者の行動を促すような機能があるため、「みらいナビ」を通じた情報に触れることによって、運用資産の構成等に変化が現れます。

 導入費用は、初期費用が5万円、利用料金は1人当たり月間100円です。費用負担は事業主にお願いしています。また、運営管理機関が費用負担しているケースもあります。その場合は、その運営管理機関を通じて企業型DCを導入した企業、あるいは、iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用者は直接的な費用負担なく「みらいナビ」をご利用いただけます。

 ――今後の展望は?

 「みらいナビ」は9月に大幅なリニューアルを行います。UI、UXを見直して、より使いやすい画面になるとともに、新たにロボ・アドバイザー機能を搭載します。また、一部の運営管理機関では、アプリ上から直接、掛金の配分比率の変更やスイッチングの指示ができるようになります。より使い勝手の良くなったツールとして利用していただく方の満足度が高まると思います。

 これからも、長引く老後への備えが思うように進まないという社会的な課題に向き合って、個々人の投資行動を変えるためのサポートを幅広く提供していきたいと考えています。「みらいナビ」は、現在のところ、DCに特化したサービスですが、DCは運用サポートサービスの入口に過ぎないと思っています。次のステップとしては、つみたてNISAやNISA、さらに、一般口座での投資信託や株式などに関する情報提供も行い、ワンストップで資産形成に関する情報が得られるプラットフォームに進化させたいと考えています。

 また、情報サービスについては、現状では、利用者の属性に合わせた情報の提供に留まっていますが、投資顧問業法に基づく投資助言などのサービスに発展させることも可能です。

 豊かで明るく楽しい日々を送り、そして、安心できるリタイア生活を迎えるためには、「今、何ができるのか」という利用者の視点に立ってサービスの提供や開発に努め、多くの方々に当たり前に使っていただけるツールにしていきたいと考えています。

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