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iDeCoにローン、「MYDC」がSOMPOホールディングスと提携して加入者向けローンを提供開始

2019/04/26 10:25

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損害保険ジャパン日本興亜
投融資部業務グループグループリーダー 殿村勝徳氏(写真:左)
ビジネスデザイン戦略部課長 髙井裕美子氏(写真:中央)

お金のデザイン
代表取締役社長CEO 中村仁氏(写真:右)
 お金のデザインが提供するiDeCo(個人型確定拠出年金)「MYDC」は、損害保険ジャパン日本興亜とSOMPOクレジットと協働で、iDeCo加入者向けのローンサービス「MYDC Plus(マイディーシープラス)」の取扱いを開始した。新サービス提供の狙いと今後の展望について、お金のデザイン代表取締役社長CEOの中村仁氏(写真:右)と、損害保険ジャパン日本興亜のビジネスデザイン戦略部課長の髙井裕美子氏(写真:中央)、同社投融資部業務グループグループリーダーの殿村勝徳氏(写真:左)に聞いた。

 ――iDeCoにローンを組み合わせるサービスを提供する狙いは?

中村 iDeCoは資産形成の最強の手段といえるのに、その普及がなかなか進まないことに疑問を持っていました。その課題に対して、何らかの機能を付加することによって課題解決ができないかと考えました。

 iDeCoは、掛金の所得控除があり、かつ、運用益非課税のメリットを複利運用によって積み重ねていく効果を考えると、できるだけ若いうちに始める方がメリットが大きいのです。しかし、それほど大きくは加入が進んでいないのは、何があっても60歳までは引き出せないため、「急な出費に使えない」という心理的な壁があるのではないのでしょうか。それによってiDeCoの加入を諦めるのはもったいないと思います。

 人生でまとまった資金が必要になることは、ライフイベントに関わることが中心です。若い方でしたら、結婚、出産(子育て・教育費用)など、いつ起こるか事前に計画しにくいことに関わる出費もあります。このような突然の出費があるかもしれないということで、iDeCoの加入に踏み切れないのであれば、そのためらいを解消したい。もし、まとまった出費が必要になる場合は、その資金にはローンで一時的に借り入れることができるという新サービスを用意しました。それが「MYDC Plus」です。

 アメリカでは、401k(確定拠出年金)の加入者を対象としたローンは一般的に提供されています。これは若い人、給与所得が高くない人たちの加入促進策として、また、資産運用は途中で止めずに継続することにメリットがあるからです。日本では、この点でのサービスが足りていなかったと思います。

 損保ジャパン日本興亜さんには、当社に出資していただくとともに、業務提携を結んで協業できることについて活発にディスカッションを続けています。もともと確定拠出年金の分野では、「MYDC」の記録関連運営管理機関を損保ジャパン日本興亜DC証券さんにお願いしていて、関係もありました。今回のローンの付与は、提携の第1弾です。これからもiDeCoの普及や発展に役立つようなサービスをともに考えていきたいと思っています。

髙井 「人生100年時代」という社会的課題に、損保ジャパン日本興亜として何ができるかということは大きなテーマとして常に意識しているところですが、iDeCoは、資産を形成する、そして、資産の寿命を延ばすという点でカギになる制度の一つと考えていました。

 グループのミッションである「お客さまの安心・安全・健康に資する最高品質のサービスを提供する」という視点から、お金のデザインさんとの協業を検討していますが、そうした中から「iDeCo加入者向けローンを提供することでiDeCo普及の後押しができるのではないか」というアイディアが出てきました。

 ――「MYDC Plus」の内容は?

中村 「MYDC」の加入者の方を対象として、特定の職域に勤めている方を対象としたローンを案内します(※)。iDeCoはローンの担保にできないので、無担保ローンになります。ローンの金利が2ケタになるような商品では、資産形成をサポートするというiDeCoの目的には相応しくないため、適正な金利のローン商品をセレクトしました。

※融資サービスの提供は、損保ジャパン日本興亜によるものです。お金のデザインは融資及び融資に関する媒介を行いませんのでご注意ください。

 資産形成をする人にローンを案内するということに違和感を覚えるかもしれませんが、ローンも使い方だと思います。人生100年時代を考えた時に、長引く老後への備えとして自助努力として自分の年金を作るのがiDeCoの役割です。できるだけ若いうちから始めて、それを、途中で止めることなく継続することを支援するサービスです。

殿村 「MYDC Plus」は、お金のデザイン社のiDeCo「MYDC」加入者を対象としたローンサービスです。ローンは損保ジャパン日本興亜が提供し、ローンの保証をSOMPOクレジットが行います。損保ジャパン日本興亜、SOMPOクレジットと提携した特定の企業や団体の従業員の皆さまに自動車、結婚、教育資金など、ライフイベントに関わりのある目的ローンを提供します。

 ――サービス開始は、地方職員団体から始めるというのは?

中村 「MYDC」の加入者は公務員の比率が高いという特徴があります。iDeCoの新たな加入対象者となった公務員の方々には、iDeCoに対する強いニーズがあるだろうと考えて、加入推進活動なども公務員の方々向けに注力してきたという背景もあります。まずは、利用希望者層が厚いところからスタートして、徐々に対象を広げていきたいと考えています。

 ――現在、確定拠出年金の制度改定の議論が進んでいて、改定ポイントの一つが「中途脱退要件の緩和」になっています。中途脱退要件が緩和されると「MYDC Plus」の付加価値は薄れるのでは?

中村 iDeCoは継続することが重要なので、中途解約要件が緩和されることになったとしても、中途解約をしないで最後まで続けることが大事だと思います。将来に予測できない出費が発生した時に、iDeCoへの拠出を中断したり、解約したりすることのないようにという目的で、ローンを用意しているのが「MYDC Plus」です。中途解約要件がどのようになろうと、このサービスの価値は変わらないと思います。

 ――「MYDC」は、ロボ・アドバイザーを使った運用商品の例示やスマホで簡単に申込ができるなど、画期的な商品として2017年1月にサービスをスタートしました。その後、運営母体であるMYDC社は、親会社のお金のデザイン社と合併しましたが、それにともなってサービス内容に変化は?

中村 iDeCo市場は、2017年1月に加入対象範囲が拡大したことで、一気に業者間競争がヒートアップし、運営管理機関手数料を無料にするなど、いきなり事業者間で体力勝負になりました。子会社として運営していくと、開発部隊などを分散するデメリットもありましたので、親会社と一体となって運営することによって、この事業をより長期的な経営戦略に基づいて運営していくことができるようになりました。

 合併後は、申込手続きのストレスを無くすようにUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)の改善や、他社がやっていないサービス機能を準備してきました。

――この7月に確定拠出年金の運営管理機関には、運用商品の一覧の公表が求められます。プランスポンサーは5年に1度、運営管理機関を比較して見直しを検討することが努力義務になったことに対応する規制の変更ですが、この変更への対応は?

中村 当社は既に昨年12月からWebサイト対応済です。法改正の主旨である「情報の非対称性を埋める」ことに賛同して準備をはじめて、さらに第三者評価機関の評価も援用することで客観性を担保する公表体制にしました。

 ――今後の「MYDC」の普及策は?

中村 今回の提携によって、従来とは異なる機能を付加したように、パートナー様と連携することによって、様々なサービスを付加していきたいと考えています。「MYDC」は、老後の資産形成を行うための重要なツールですが、その運用を通じて人生を一緒に歩むプラットフォームに位置づけられると思います。

 パートナーとして金融サービスのみならず、様々な企業と組むことができると思っています。様々なサービスを取り込むことによって、より多くの方々との接点を持つことができ、普及にもつながると思っています。

殿村 お客さまが長年にわたって利用されるプラットフォームとしての「MYDC」の位置づけはユニークな存在です。今回、ローンで接点を持ったお客様の幅広いライフステージにおいて、損保・生保商品、あるいは、介護に関するサービスなど、「安心・安全・健康」を総合的にサポートさせいていただくために、オンラインのプラットフォームは、拡張性も大きく様々な提携の可能性を感じています。

髙井 私どもは「保険の先へ、挑む。」をモットーとして、お客さまに新しい価値をご提供することを目指しています。iDeCoについても、そうしたサービスを開発して積極的に情報発信することで、制度の普及に貢献していきたいと考えています。

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