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SBI証券のiDeCoセミナー、モーニングスターの朝倉智也氏が実践的活用法を提案

2019/04/25 14:23

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「iDeCoでつくる自分年金 ~実践的活用術~」
モーニングスター 代表取締役社長
朝倉智也氏
 SBI証券は4月23日、東京・京橋で個人投資家向けのセミナー「節税しながら資産形成! iDeCoセミナー」を開催した。基調講演をモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)が務め、「iDeCoでつくる自分年金 ~実践的活用術~」と題して、iDeCo(個人型確定拠出年金制度)をつかった資産形成について具体的な積み立て事例等を示しながら解説した。平日の18:30からのセミナーだったが、仕事帰りの会社員ら約150人が参加し、最後まで熱心に講演を聴いていた。

 朝倉氏は、米国で投資信託が家計の資産形成手段として広く活用されるきっかけになったのが、iDeCoなどの確定拠出年金制度(DC制度)だったと解説した。日米の投資信託の世帯普及率は、今でこそ米国で40%超、日本では8%台と大きく開きがあるが、1982年頃は米国が10.8%、日本は8.2%とほとんど差がなかった。1981年に米国で企業型確定拠出年金(401k)プランが発足し、普及が進んだ1980年代後半から米国で投資信託の世帯保有率がグングンと上昇し、2000年には普及率が45%を超えた。この間、日本ではバブル崩壊による株安などの影響もあって投信の世帯普及率は低下。1988年には16.7%まで高まっていた普及率は2003年には6.1%にまで低下してしまう。

 朝倉氏は、「米国では会社が始めた401kで投資信託を保有したところ、株高等の影響も受けて資産が増え、それならばと一般の口座でも投資信託を購入して資産を拡大することに成功した。日本では残念ながらDC制度が始まった2001年以降、国内の市況があまり良くない時代が続き成功体験が得られなかった」と日米の普及率の違いを推測した。現在、米国の投信残高18兆ドル(約2000兆円)のうち46.1%が確定拠出年金口座を通じた残高(約920兆円)。これに対し、日本では投信残高が59兆円で、DC専用ファンドの残高は8.1%(4.78兆円)と日米投信市場に大きな差ができている。

 また、DCの運用の中味でも日米の差は大きい。米国では401kにおける現役世代の平均的なポートフォリオは、株式ファンド43.1%、ターゲット・デート・ファンド19.8%、ターゲット・デート以外のバランスファンド5.7%、債券ファンド8.1%と全体の76.7%をリスクを取って運用するファンドが占めている。個別株式が6.5%あることを加味すると全体の83.2%がリスク性の資産で占められる。マネーファンド3.9%、Gics及び他の安定資産ファンド6.1%であり、リスクを避ける資産は10%程度しかない。日本のDC制度では、企業型で51.5%が、個人型では60.1%が元本確保型での運用で占められている。その結果、企業型DCの運用利回りは約40%が0%~1%未満。運用していないので、収益を生まない資産になっている。

 そして、朝倉氏は、マーケットタイミングで投資を行う難しさを国内公募投資の資金流出入を状況を用いて説明した。「株価が上がってくると投信への資金流入額が増大し、株価が下落する局面では資金が流出するかほとんど入ってこない。これは、株価が高い時に買って安い時に売るということに等しい」とし、その結果、インベスターリターン(10年)は2.23%にとどまり、公募投信のトータルリターン(10年)4.39%の半分程度でしかないとした。一方、DC専用ファンドでは、トータルリターン(10年)4.25%に対し、インベスターリターン(10年)は5.67%と投資家のリターンが市場リターンを上回った。毎月、定時定額でコツコツと投資をし続けるDCの購入パターンが、リスク性資産を購入する上で相性の良い方法になっていることを実績で示した。

 その上で、朝倉氏は、世界の株式に分散投資し、10年以上の長期で積み立てを行うことを推奨した。「iDeCoを使って定時定額の積み立てを行う場合、たとえば、20年間で考えると1回あたりの投資額は投資額全体の240分の1の影響に過ぎない。iDeCoを開始するのはいつでもいい。できるだけ早く初めて、長く続けることが大事だ」と語った。最後に、「中長期の資産形成は、iDeCoとつみたてNISAという税制優遇口座をフルに活用し、iDeCoのように60歳まで引き出せない長期の口座では株式100%でリスクを取り、いつでも引き出せる一般口座では債券を加えたバランス型でリスクを抑えた運用をするなど、口座の性格に応じて運用商品をセレクトする"アセット・ロケーション"の考え方も取り入れたい」と話していた。

 その後、SBI証券の投信・債券部の仲岡由麗江氏がSBI証券のiDeCoについて説明した。2005年にiDeCoサービスを開始した当時から10年超の歴史を持つ「オリジナルプラン」と、2018年11月に導入し、低コストと多様性にこだわった商品ラインナップを持つ「セレクトプラン」の2つのコースから選べること。また、運営管理機関手数料は無料(別途、毎月167円の口座管理手数料が必要)など、制度を続ける負担が低いことなど、同社が取り扱うiDeCoの特徴を解説した。


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