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SBI証券のiDeCo新プラン「セレクトプラン」誕生の背景、三菱UFJ国際投信とSBI証券が共同開催したブロガーミーティングで意見交換

2018/12/14 12:35

 三菱UFJ国際投信は12月10日、SBI証券と共同で、SBI証券が11月から新たに募集を始めたiDeCo「セレクトプラン」についての意見交換を行うブロガーミーティングを開催した。投資信託をテーマにブログを展開しているブロガー22人が集まった。

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SBI証券 投信・債券部
課長 仲岡由麗江氏
 意見交換に先立って、まず、SBI証券の投信・債券部課長の仲岡由麗江氏から、「iDeCo新プラン(セレクトプラン)の設定について」と題して、11月に「セレクトプラン」を新設するに至った経緯と、新プランの特徴について説明があった。

◆リクエストに応えて商品を厳選した「セレクトプラン」

 仲岡氏は、2005年に業界に先駆けて個人向け確定拠出年金の提供を開始して以来のサービス内容の変遷を紹介し、2017年1月に確定拠出年金法の改正によって、個人型の加入対象者が公務員、主婦(夫)など幅広い国民に開放されたことを機に、同社のiDeCo(個人型確定拠出年金)をより良いサービスに進化させたとした。具体的には、運営管理機関手数料の完全無料化(2017年5月)を実施し、商品ラインナップを大幅に拡充(2016年4月以降に順次拡大)した。運用商品のラインナップは、iDeCo利用者のリクエストに応える形で拡充し、最終的に67本に増やした。

 このような商品内容の見直しは、利用者に高く支持され、2017年1月の加入対象者の拡大を機に、同社のiDeCo加入者数も急増し、2018年10月末現在で24.6万人。iDeCo総加入者数106.7万人の20%超のシェアを占め、運営管理機関としてナンバーワンの支持を獲得した。

 ただ、2018年5月に法改正が実施され、iDeCoを含む確定拠出年金制度の運用商品の数は35本以下とすることが決まった。仲岡氏は、この改正法の議論に対し、「企業型確定拠出年金と個人型iDeCoは、企業が拠出するのか、それとも個人が拠出するのか、資金の出どころの性格が違う。個人の運用ニーズは幅広く、たとえばSBI証券が取り扱う2,600本を超える投資信託についても90%程度に残高があることからも幅広い投信にニーズがあることは確かだ。このため、『運用商品が多いと加入者が商品を選びにくい』という懸念には、商品を選びやすくするツールを提供することで課題に応えたいと考えていた」という。

 しかし、改正法では35本以下という基準が示されたため、67本の商品については除外予定商品(ファンド26本+元本確保型3本)を選定して改正法に沿った商品数(35本)に修正し「オリジナルプラン」として残すとともに、新プラン「セレクトプラン」を新設。「セレクトプラン」についてはWeb等を通じた採用ファンドのリクエストも反映したという。

 旧プランを「オリジナルプラン」として残した理由は、「既に10年以上の歴史がある旧プランでは、運用資産残高が数百万円になっている方もいらっしゃる。プランの変更をすると、一度、運用商品を現金化して新プランで買い付けるというステップが必要になる。この間、2カ月間ほど、キャッシュとして運用の空白期間ができてしまうが、この間に市況が変動して収益機会を逸してしまうリスクがある。また、既存プランの運用商品に愛着があって商品を変えたくないとお考えの方も少なくない」と解説した。

 「セレクトプラン」の運用商品選定の軸は2つ。「低コストインデックスファンドを揃えること」「アクティブファンドも含め多様な投資手法を幅広く揃えること」。Webのリクエスト状況、また、一般口座での販売残高、積立での利用状況、あるいは、個々のファンドのトータルリターンなど、様々な角度から商品を検討した結果、「自信を持って提供できるラインナップを揃えられた」(仲岡氏)という。当初の計画では30本程度にしたかったというが、結果的に34本(ターゲットイヤーファンドは、規定によりシリーズ4本を1本として加算)になった。

 「セレクトプラン」は、11月から資料請求の受付を開始したが、11月の資料請求件数が2万5,000件超あったところ、「セレクトプラン」での応募が約1万8,000件だった。「『セレクトプラン』の支持が強いことが確認できた一方で、『オリジナルプラン』を選ぶ方もいらっしゃる。それぞれにニーズがあるので、両プランを引き続き提供していきたい」(仲岡氏)と語っていた。

◆iDeCoシェア20%超のSBIのサービス力と「eMAXIS Slim」の商品力

 その後、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンのチーフ・インベストメント・オフィサーである小松原宰明氏によるプラン変更の際のシミュレーションの解説があった。そして、長期分散投資の効果についてSBI証券の執行役員である橋本隆吾氏と三菱UFJ国際投信常務執行役員の代田秀雄氏が対談の後、ブロガーからのQ&Aに答えた。

 橋本氏は、新しい「セレクトプラン」の商品選定では、「お客さまからの要望が多かった低コストのインデックスファンドの拡充は必須だった」と語り、三菱UFJ国際投信が設定・運用するインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」が全34本中8本を占めるのは、お客様ニーズに沿った結果と語った。

 これに対し、代田氏は、「『eMAXIS Slim』シリーズは、運用コストで業界最低水準をめざすという姿勢を明確に打ち出し、これまでも信託報酬の引下げを実施してきた。信託報酬水準は、今が最安値でも10年、20年後には一段と低い水準の商品が出てくるかもしれない。そんな時でも、『eMAXIS Slim』は業界最低水準にチャレンジを続けるので、投資家の方々は信託報酬の水準においてもストレスを感じることのない、ストレスフリーの投資をしていただける商品だと思う」と、将来にわたって安心を提供したいと語った。

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三菱UFJ国際投信
常務執行役員 代田秀雄氏
 そして、SBI証券がiDeCoで20%を超えるシェアを押さえていることについて「競合相手としてメガバンクや大手証券がある中で、大変なシェアといえる。アクセスのしやすさ、商品ラインナップ、そして、投資コストの面で常に業界で最も良いサービスをめざして来られた結果と感じる」と評価した。

 また、代田氏は、「法改正によって上限35本に決まったが、企業型では同じ会社に勤めて、同じような収入を得ている人たちの集団なので、ある程度商品数を絞って選びやすくするという制限は理解できるが、個人型は、自営業者や会社員、公務員など多種多様な人たちがいて様々な運用のニーズがある。本当に個人型も35本でいいのかということには疑問がある。今後も制度の見直し議論はあるだろうが、その際には、個人型の運用商品の上限については改めて議論になるよう働きかけたい」と語っていた。

 橋本氏は、「オリジナルプラン」と「セレクトプラン」でどちらを選ぶのかという選択のヒントとして、「『セレクトプラン』の低コスト・インデックスファンドで長期に積み上げるという考え方もあるが、たとえば、『つみたてNISA』ではインデックスファンドで運用を行い、iDeCoでは、『つみたてNISA』には品揃えが少ないアクティブファンドで運用するという考え方もあると思う。その際には、良くラインナップを見ていただき、投資したいアクティブファンドがあるコースを選ぶという方法もある。アセット・ロケーションという言葉もあるが、資金をどこに置くのかもポイントになると思う」と語った。

◆一段の商品力向上を望むブロガーの意見

 ブロガーからは、「証券会社の比較をしていると、SBI証券のiDeCoは、受け取る時の選択肢が年金(5年と10年)と一時金だけと、少ないように感じる。年金と一時金の併用も加えた多様な受け取り方にしてほしい」いう要望があり、橋本氏は「年金の受取方法については、これまでも要望として多くの声をいただいているので検討課題として意識している」との答えがあった。また、「旧プランから新プランへの切り替えは、紙1枚出すだけで簡単なのに、どうして預け替えに2カ月もかかるのか?」という質問には、旧プランで運用している資金をいったん全て現金化するために、どうしても日数を要してしまい最短でも2カ月程度はかかるとの説明だった。

 さらに、「商品の選定には、『投資家の人気を重視する』との受け答えがあったが、人気はどうやって測っているのか?」という質問が出て、橋本氏は「毎月の購入金額、購入件数、そして、アクセス件数などの定量的なデータで把握している。公式サイトでは、人気ファンドのランキングを公表しているので参考にしていただきたい」と答えていた。
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