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改正DC法の施行日(5月1日)迫る、iDeCoに事業主マッチング拠出が可能に

2018/03/16 13:48

 「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」が施行される5月1日が迫っている。iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)への「中小企業主掛金納付制度」、中小企業向けのシンプルな「簡易企業型年金」が創設される。また、確定拠出年金制度の運用商品数に35本以下という上限が設定され、運用商品を選択しない加入者への「指定運用方法」の規定も整備される。継続投資教育について配慮義務から、「努力義務」化されることで、確定拠出年金を実施している事業主やiDeCoを提供する国民年金基金連合会は、制度への加入時はもちろん、加入後においても、加入者が資産運用について十分理解できるよう、必要かつ適切な投資教育を行う必要が強調される。改正法の施行によって、制度の一段の普及が期待される。

中小事業主掛金納付制度の創設(個人型年金関係)

 中小事業主掛金納付制度は、企業年金を実施していない中小企業(従業員数100人以下)が、その従業員の掛金との合計がiDeCoの拠出限度額の範囲内(月額2.3万円相当)でiDeCoに加入する従業員の掛金に追加して、事業主が掛金を拠出することができる制度。従業員の掛金は、事業主掛金と合わせて事業主を介して国民年金基金連合会に納付する。

 常用労働者が30~99人の中小企業は、厚労省の調査で企業年金実施割合が25.9%にとどまっている。2011年度末に適格退職年金が廃止され、かつ、2014年4月に施行された改正法によって中小企業が多く加入する総合型厚生年金基金の解散が相次ぎ、中小企業の企業年金実施割合は低下する方向にあった。

 今回、iDeCoを使って、従業員の掛金に事業主が上乗せで拠出する方法は、米国のマッチング拠出に似た取り組みといえる。拠出額の上限が合計で月2.3万円(年27.6万円)と少額であることがネックだが、現在、企業年金なしの2号加入者の平均掛金は月額1.6万円にとどまっており、事業主の上乗せが年金への備えを充実させる効果は着実だろう。企業を窓口に掛金を納付する仕組みだけに、運営管理機関による中小企業への制度導入の働きかけが拡大する効果も期待できる。

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出所:厚生労働省


簡易型企業年金の創設(企業型年金関係)

 簡易企業型年金は、設立条件を一定程度パッケージ化し、設立時に必要な書類等を削減して設立手続きを緩和するとともに、制度運営についても負担の少ないものにするなど、中小企業向けにシンプルな制度設計とした企業型年金。現在も、運営管理機関が用意したパッケージ型制度に企業が相乗りする「総合型の企業DC制度」は一定程度の広がりを持っている。そこに、簡易企業型年金を併設されることになるため、普及促進には制度の違いや事業主のメリット・デメリットなどの整理が必要だろう。

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出所:厚生労働省


運用の改善(企業型年金、個人型年金関係)

 確定拠出年金は、加入者が運用商品を選択し、老後まで運用した結果が将来給付を左右するため、個々人の運用商品選択は重要になる。その商品選択をサポートする改正として、「運用商品提供数の抑制(上限35本)」(選択肢が多いと、商品を選ぶことが難しくなるため)が行われ、商品除外規定が整備された。施行日において運用商品提供数が35本を上回っている場合は、施行日から5年以内に上限以内に削減することが求められる。

 また、商品を選択しない加入者のため、商品を選択しない場合に自動的に割り当てられる「指定運用方法」の規定が整備された。指定運用方法から、元本確保型商品は排除されなかったものの、「長期的な観点から、物価その他の経済事情の変動により生ずる損失に備え、収益の確保を図るためのもの」とされた。

 そして、運用中の支援強化として事業主や国民年金基金連合会など制度の運営主体には、継続投資教育を配慮義務から努力義務へと、責任を一段と高めて積極的に実施するように求めた。

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出所:厚生労働省

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