iDeCoニュース

野村のiDeCo、掛金1万円以上で運営管理機関手数料を無料に改定

2018/02/06 10:30

nomura0131.jpg
野村證券 確定拠出年金部
部長 井上雅俊氏(左)
企画課長 児玉仁志氏(右)
 野村證券は、手数料無料キャンペーンが終了する今年4月から「野村のiDeCo」の運営管理機関手数料を掛金1万円以上で無料とする実質無料に改定し、商品ラインナップも拡充し、今年1月から申込の受付を開始した。「業界最高水準」と自負する加入者サービスに加え、運営管理機関手数料をも業界最低水準に引き下げてiDeCoの一段の普及に努める。同社のiDeCoサービスの現状について確定拠出年金部長の井上雅俊氏(写真:左)と、同部企画課長の児玉仁志氏(写真:右)に聞いた。

 ――1月から「野村のiDeCo」の手数料を改定し、運営管理機関手数料を掛金1万円以上で無料にした。この狙いは?

井上 3月までは運営管理機関手数料を無料にするキャンペーンを展開していたため、4月以降について、どのような対応にするのか決める必要があった。iDeCoの加入者は、加入するプランはサービスや商品など総合的に判断するが、手数料水準によっては検討対象となりにくいのが現状だ。キャンペーン期間を延長するより、手数料体系を見直した方がお客様もあんしんして利用いただきやすくなると考え、このタイミングで手数料改定を発表した。

 当社ご加入者の毎月掛金は、ほとんどの方が1万円以上であったので、その条件を付けることで実質的に運営管理機関手数料が無料になる。掛金の金額によらず、残高100万円以上の方の運営管理機関手数料を無料とする条件も設けたが、これは、企業型から移ってこられるケースを想定してのものだ。

 ――手数料を実質無料化したことで、店頭でのサービスなど対応に変化は?

井上 特に手数料を引き下げたからといって対応が変わることはない。むしろ、運用商品を追加するなど、一層のサービス充実を図っている。

 ただ、店頭での説明については、お客様から問い合わせがあれば、制度内容や制度を利用するメリット・デメリットなどについてご説明するにとどめている。これは兼業規制という法律の枠組みによって制限をかけているものだ。

 当社でiDeCoに加入なさる方は、運用の志向が強い方が多い。店頭で「野村のiDeCo」の運用商品ラインナップまで説明してしまうと、運用に関する相談につながってしまう。加入後は、店頭で運用商品に係る説明はできなくなってしまうため、あえて、運用商品についてはコールセンターをご案内して専任の担当者から説明するように徹底している。

児玉 兼業規制に関する考え方は、金融機関によって捉え方に差があるようだ。当社では、法律や規制を遵守することに慎重な立場で取り組んでいる。

 ――新たに商品を1つ追加したが、今後の商品ラインナップの考え方は?

井上 2017年1月からのiDeCo新プランを考えるにあたって、運用商品の上限問題などが不透明であったため、最小限のラインナップでスタートした。その後、35本以下という規制の上限が明らかになったので、必要に応じて運用商品の追加を実施していく。

 今回、海外債券で運用する確定拠出年金専用のアクティブ投信「野村DC・PIMCO・世界インカム戦略ファンド(為替ヘッジあり)」を追加したが、この投信と同様の運用をする投信は、当社の店頭でも人気のある商品のひとつだ。安定的な利回りを求めるというお客様のニーズに合致している。海外債券ファンドは、パッシブ型の商品しかなかったので、アクティブ型を追加した。

 また、ターゲットイヤー型ファンド「マイターゲット」は「2050年」の1本だけだが、同一ファンドの年限の異なるものは、1本としてカウントするという指針も示されたので、「2040年」「2030年」などを追加する考えだ。

 ――加入者の運用の状況は?

井上 昨年1月から新規に加入していただいた方の掛金の投信への配分は日本全体の加入者平均に比べて高くなっている。もともと当社のプランは、運用ニーズのある方の加入が多かった。旧プランは、企業型に加入されていた方が退職されて個人型に移って来られていたが、パッシブ型で信託報酬が低いファンドが揃っていることもあって投信を使った運用を積極的に行う方が多い。

 企業型で当社のプランをご利用いただいていると、社内勉強会などで、ドルコスト平均法のメリットなど、積立投資の効果についてしっかり説明しているので、能動的な加入者が多い。昨年の株高で、良い運用成績になっている方が多い。

 ――今後の普及に向けた取り組みは?

井上 昨年からiDeCoは、企業型確定拠出年金の受け皿という位置づけを離れて、老後の資産を形成するためのツールとして一般化された。税制メリットが大きいが、60歳までは換金できないため、30年、40年と続く長いお付き合いになる制度だ。プレゼントキャンペーンなど短期的に注目してもらうというより、どっしりと構えて、少しずつでも浸透していく方法があると考えている。

 パンフレットには「あんしんを、50年先まで。」と謳っているが、これまで長い期間にわたってみなさまの資産形成をお手伝いしてきた当社の実績が「安心」につながると思っている。加入後にWebで学習して運用についてレベルアップするなど、運用をサポートしていくWebのコンテンツやコールセンターの対応力には、証券会社として創業来90年以上の実績が生きていると思う。

児玉 森永卓郎さんを起用した「(60歳以上はiDeCoに加入できず)くやしい!」という広告をWebでは使っているが、広くiDeCoを知っていただくために、iDeCoの周知を行っていきたいと考えている。

 営業店では、土日や夜間に行っているセミナーで、昨年はiDeCoをテーマに取り上げたセミナーが多かった。今年は、「つみたてセミナー」と題して行われるケースが増えているが、つみたてNISAやiDeCoなど積立投資の仕組みを上手に使って資産形成をじっくりやっていくことを丁寧に説明するセミナーになっている。このような営業店の取り組みも、継続的に実施することで、少しずつ制度の浸透に貢献できると思う。

 また、公務員マーケットを含む職域においては、担当者向けに事務手続きのポイントを解説するセミナーを開催して好評だ。新しい制度なので、事務局側にもさまざまな戸惑いがあるのは事実だろう。事務手続きのポイントが分かっていれば、法人経由の申込の流れも良くなってくると思う。

井上 老後の資産形成をサポートすることは金融機関として重要なことだが、フェイス・ツー・フェイスで対面する窓口では、お客さまの立場に立って考えることが第一だ。お客様の資産形成の目的が、住宅資金や教育資金であれば、NISAを使ったプランの方が相応しい。一方で、老後の資産形成であればiDeCoのメリットが大きい。お客様の目線で全体をパッケージで考えることが大切だと思う。iDeCoは、まだ始まったばかりの制度だ。息長く普及に努めていきたい。

【関連記事】
野村のiDeCo、加入後の運用サポートで証券運用アドバイザーとして長年の経験を活かす(2016/12/01)
それでも「元本確保型」を選びますか? iDeCo採用ファンドの約30%が20%超のリターン(2018/01/25)
iDeCoの商品選び、1年目の運用成績に見えた低コストファンドの限界(2018/01/18)

    
    

バックナンバー

  1. りそなグループが「iDeCo+」の普及に率先、全国840拠点が情報発信拠点に ( 2018/9/12 13:14)
  2. DC専用ファンド(2018年8月)、先進国株式がパフォーマンス好調で資金流入活発 ( 2018/9/10 10:17)
  3. 「iDeCo+」をきっかけに中小企業発で人生100年時代の資産形成を広める=りそな銀行 ( 2018/9/07 10:48)
  4. iDeCoの7月新規加入者は約3.39万人、加入者総数が100万人に迫る ( 2018/9/06 10:19)
  5. 指定運用方法にターゲットイヤーファンドを採用した新「野村のiDeCo」取扱い開始 ( 2018/8/28 10:39)
  6. 中小事業主掛金納付制度の愛称「iDeCo+」に決定、普及活動に弾み ( 2018/8/27 11:18)