iDeCoに特化した相談店舗「つみたてプラザ」は年中無休・相談無料、iDeCo加入者・加入検討者の対面相談ニーズに対応

りそな銀行
信託ビジネス部
高木亮太郎氏
――「つみたてプラザ」は年中無休(年末年始、ゴールデンウィークを除く)の相談店舗としてオープンした。iDeCoの加入・運用の相談に特化した窓口を開設した狙いは?
りそなグループでは、iDeCoを現役世代の資産形成の有力な手段と考え、グループ(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行)の全国約600カ店で、iDeCoのご相談を受付け、制度の説明や老後の資産形成などについて、ご相談を承っている。
お客さまから「加入するまでは、親身になって相談に乗ってくれたのに、加入した後では、コールセンターで運用相談に応じるというのはおかしい」というご意見が寄せられるようになった。お客さまは、加入するまでと同様に、加入後も担当者に相談しながら運用したいというご意向だと思うのだが、現在の業法によると、加入後のお客さまからのご相談は、専門部署の担当者が行うことと規制され(兼業規制)、支店に専担者を配置しなければ、運用相談に応じることができない。
そこで、お客様のご要望にお応えする拠点として、iDeCoの加入後のお客さまにもご利用いただける相談拠点である「つみたてプラザ」をオープンすることにした。「つみたてプラザ」で相談に応じるのは、りそな銀行の確定拠出年金室に所属するFP(ファイナンシャルプランナー)。企業型確定拠出年金(DC)のセミナー講師なども務めるベテランを配置する。iDeCo加入前のお客さまから、加入後のお客様まで、iDeCoに関するご相談に柔軟にお応えすることができる。
――「つみたてプラザ」では、つみたてNISAなど他のサービスについての相談は受けないのか?
「つみたてプラザ」は、iDeCoの相談に特化した店舗だ。同じ年中無休ながら、つみたてNISAも含め、住宅ローンや保険の見直しなどの相談に幅広く対応する「セブンデイズプラザ」とは異なる位置づけにしている。iDeCoの相談には、加入した後は、専門の担当者でないと応じられないという業法のすき間を埋める役割を期待している。
iDeCoの特化した相談店舗であることから、当初は「iDeCoプラザ」などiDeCoに関連した名称も検討した。ただ、iDeCoの知名度がそれほど高くないこと、また、つみたてによる資産形成の重要性について知っていただきたいことから、iDeCoに代わる資産形成の代名詞として「つみたて」が浮上した。
また、現在の兼業規制については金融機関から見直しの要請もあり、将来は業法が改正され、iDeCoだけではなく資産運用全般に係る相談拠点になる可能性もある。「つみたてプラザ」を展開することによって、お客さまからどのような相談があるのか、どのようなツールを使えば、より納得度の高い応対ができるのかなど、プラザで相談対応を積み重ねていくことが、iDeCo関連の相談ノウハウの高度化につながると思っている。
「つみたてプラザ」の店舗では「りそな」を、どこにも掲示していない。ATMがりそな仕様なので、りそなを一切掲示していないわけではないのだが、iDeCo専用の相談窓口が、保険ショップのような利用が見込めるのかということも測定したいと思っている。
――具体的なサービス内容は?
基本的には事前予約をいただいて、iDeCoに関するご相談に対応している。加入前の相談をいただいたからといって、りそなのiDeCoに加入する必要はない。また、りそな以外の金融機関で加入されたiDeCoの加入者の方の運用相談にも応じている。
相談時間は1回あたり1時間を標準にしている。相談料等はいただいていない。iDeCoについて、分からないこと、迷っているようなことがあれば、遠慮なくご相談いただきたい。
――「つみたてプラザひらかた」は、オープンから1カ月程度が経過したが、利用状況や反響は?
ひらかたは、郊外の住宅地にある大きな商業施設の一角でオープンした。年中無休で9:00~19:00まで営業している。これまでのところ、1日1~2件程度のご相談を継続的に受付けている。たとえば、加入前の方のご相談であれば、iDeCoのお申込みから、実際に第1回目の拠出を実施するまでに1カ月あまりの期間があるが、この期間を利用して、具体的な資産配分等について改めて相談の機会を設けるようにしている。
また、既存の加入者からのご相談内容は、企業型の確定拠出年金(DC)に加入されている方で、転職をきっかけにDCに加入させられたのだが、しっかりとした説明がなかったために、定期預金だけで積立を続けているという方がいらした。制度の利用の仕方などをご説明し、資産配分やスイッチングなどについて説明したことで、定期預金だけでない運用を考えてみるということになった。
また、企業型に加入されていた方が、退職したことでiDeCoに切り替えたという方のご相談もあった。この方も、運用について良くわからないから定期預金だけで積み立ててきたという方だったが、積立投資によるリスク分散の効果などをご説明することで、運用に対する不安が薄れてきたという話だった。iDeCoは他社のプランをご利用だったが、近くに相談できる窓口があることは心強いと、りそなのiDeCoに資産を移すことを検討していただいている。
今後は、近隣の店舗と連携し、iDeCoに関するセミナーや勉強会を開催するなどiDeCoの普及活動も行っていきたい。
――今後の展望は?
11月25日にオープンした「つみたてプラザやえす」は、オープン初日は、1日8コマの相談予定がすべて埋まり、その後も着実に予約が増えている。人の流れの多い地点で、ATMの利用も活発な場所だけに、ひらかたとは異なる使い方をされると期待している。相談への応対時間も平日(月~木)は10:00から20:00、金土日・祝日は10:00~18:00で行う。
「つみたてプラザ」にご相談の予約をいただく方々は、「セブンデイズプラザ」と比較して若い現役層の方が多い。若い方々のご相談に応じることによって、これまでは気づいていなかったことに私ども自身が気づくきっかけになると思う。
りそなグループでは、今後、相談特化型の店舗を30カ店ほど新設していく計画だ。iDeCo専用の相談窓口である「つみたてプラザ」については、直近では増設する予定はないが、半年程度の成果を見て拡大も検討する。お客さまとの間に、様々なタッチポイントを置くことによって、お客さまのご相談を最初に受ける金融機関として、一段と相談力を向上させていきたいと考えている。
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