資産管理コラム

シンプル・イズ・ベスト!iDeCoでの長期投資の実力とは

2017/08/15 18:02

 近年、NISA(小額投資非課税制度)など個人の投資を推し進める制度が拡充されている。2017年1月からは制度拡大で公務員や専業主婦も加入可能となったiDeCo(個人型確定拠出年金)や、来年よりスタートする積立NISAなど、近年の長期投資への流れは、低金利下、そして年金不安の世の中で、より長期で資産を形成をせよという国からのお達しのようにも見て取れる。

 

長期投資の効果を確認する

 長期投資の効果を見る指標の一つに、保有期間リターンというものがある。保有期間リターン(ローリングリターンとも言う)とは、ある時点より一定期間保有をした場合の連続リターンの事を言う。例えば、下記図のようにTOPIXに連動するファンドを5年間保有した場合の保有期間リターンを見てみると、過去5年間のうち78%期間でプラスのリターンを獲得していることが分かる。

20170815_01.jpg もし、縦軸がすべてプラスの場合、投資タイミングを問わず、いつ投資してもプラスのリターンを獲得していることになる。約2割のマイナス期間はリーマンショックの時期を含んでいる為である。10年以上の運用実績があるファンドの中で、過去5年間、すべての期間でプラスリターンを獲得しているファンドは、モーニングスターレーティング5ツ星、4ツ星ファンドでは12%となった。一方で、モーニングスターレーティングが平均以下である2ツ星ファンドでも、全ての期間でプラスリターンのファンドは10%、そして95%のファンドで7割以上の期間でプラスのリターンを獲得していることが分かった。

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 参考までにレーティングが1ツ星のファンドでは全ての期間プラスとなるのは4%にとどまるものの、70%確率で7割以上の期間でプラスのリターンを獲得した。パフォーマンスが劣後するファンドを保有している場合、早く手放したくなったり、別のファンドに乗り換えたくなるものだが、乗り換えた時に高値掴みをしてしまうこともあり、得策とは言えない。また購入時には手数料もかかるので、じっと我慢して保有し続けたら5年後にはプラスとなり結果的には保有していて良かった場合もあるので投資には忍耐力も不可欠なのである。

 

カテゴリー別の最大・最少リターン

 次にカテゴリー別で最大リターン、最少リターンを見てみた。下記の図は10年間の運用実績があるファンドの過去5年間の保有期間リターンの、緑色が最大・最少値の幅、オレンジ色が平均値を示している。一般的に、先進国資産に比べ一般的にリスクが高いとされる新興国資産でも、国際株式・ヘッジなしと、新興国株式・ヘッジなしをみると、最少リターンは同程度であることが分かった。

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 また、ヘッジありとヘッジなしを比較すると、ヘッジあり資産は為替変動リスクを排除しているためリターンの幅が抑えられるのは当然であるが、図を見ると、リターンがさほど抑制されていないことが分かる。国際株式はヘッジありがヘッジなしの最大値を上回り且つ下落幅も抑制されている。また新興国株式はヘッジなしとありでは最大下落幅が25%抑制されているのに対し、最大リターンの抑制は10%にとどまり、国際REITでも同様の結果となった。このことから長期投資にはヘッジありの資産はリスク抑制の割にリターンを獲得しており、長期投資には適していると言える。

 

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 また、長期投資に積立投資を組み合わせることで投資の効果を上げることが出来る。積立投資は毎月一定額でファンドを購入することで、投資タイミングを問わず長期で投資をすることである。毎月同じ金額を購入するため、相場の下落局面で多く購入することが出来る。下がった時に多く購入し、上がった時に大きな利益を得ることができる。このことをドルコスト平均法と呼ぶ。iDeCoはまさに積立投資が自動的にできる制度である。各社の個別ファンドのページから、https://ideco.morningstar.co.jp/compare/0988.html「積立購入シミュレーション」をクリックすると、下記の画面となるので、投資期間と購入金額を指定し、青の一括投資と緑の積み立て投資をクリックさせて表示させると積立投資の効果が一目で分かる。

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 上記は日本株式アクティブファンドを2007年のリーマンショック前に一括で購入した場合と、10年間月1万円づつ投資をした場合の投資の効果を表す。一括で投資をしても、現在ではプラスのリターンとなっているが、リーマンショックの下落時に多く購入できた積立投資は、相場の上昇局面で威力を発揮し、結果的に積立投資が一括投資をはるかに上回るリターンを獲得した。お手持ちの保有のファンド、または組入れ予定のファンドで上記のように確認し、保有を続けるのか、新規にポートフォリオに組み入れるのか、今後の投資方針の参考にしていただきたい。