資産管理コラム

「iDeCo」の認知度は「ふるさと納税」に遠く及ばないものの高いニーズ

2017/06/29 10:19

 iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の認知度がなかなか高まりません。今年1月に加入対象者の範囲が拡大し、5月には加入者数が50万人を突破しました。16年3月末の25.76万人から約1年間で倍増した計算になりますが、依然として「知ってる人はやっている」という制度になっています。VOYAGE GROUP(東京・渋谷)が今年2月~3月に実施した一般消費者1,000人アンケートの結果によると、「iDeCo」の認知度は15.9%、「NISA」59.8%、「ふるさと納税」77.1%には遠く及ばないのが実情です。調査が実施されていた期間は、国民年金基金連合会が実施したiDeCo周知キャンペーン期間にも重なります。3月8日~14日はテレビCMも流れ、「いま、できる、こと。イデコ」の周知に努めていました。

「iDeCo」の愛称決定から半年足らずで認知度16%

 「iDeCo」が個人型確定拠出年金の愛称に決まったのは2016年9月16日。11月1日にはロゴマークが発表され、11月21日からは17年1月分の加入申込受付けも始まりました。「iDeCo」が広く国民に向けて広まり始めたのは、昨年11月以降といえます。そこから調査された2月~3月までのわずか4カ月~5カ月くらいの期間しかなかったことを考えれば、6人~7人に1人は「iDeCo」を知っているという状況は、それなりに良く知られていると評価できるかもしれません。

 VOYAGE GROUPの調査では、「個人型確定拠出年金」(認知度=41.5%)、「日本版401k」(19.9%)、「個人型DC」(9.0%)についても調べています。「個人型確定拠出年金」の認知度が40%を超えているのは、「確定拠出年金」という言葉に、「毎月一定金額を積み立てる年金」という理解につながるからでしょう(拠出したお金は自分で運用する、かつ、資金は60歳まで引き出せないということまで理解されているかは不明です)。このように比較すると、すでに15年ほども使われている「401k」と、誕生から5カ月間程度の「iDeCo」がほとんど変わらないというのは、「iDeCo」の浸透力の強さといえるかもしれません。


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出所:VOYAGE GROUP調査

「ふるさと納税」のスタート時より利用者数は「iDeCo」が上

 「iDeCo」に比べて圧倒的な知名度のある「ふるさと納税」は、2008年にスタートしています。寄付金税額控除の適用者数は2008年(1月~12月)が33,149人、09年が33,104人、10年が33,458人から、東日本大震災が起きた11年に741,677人に急増しました。そして、12年と13年は10万人程度に落ち着いたものの、14年に435,720人、15年は1,298,719人と100万人の大台を突破しています。15年4月に「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設され、確定申告をしなくても寄付金控除が受けられるようになったこと、また、高額な返礼品が行き過ぎているということがニュースなどで話題になり、一段と知名度が高まったことなどが追い風になったと考えられます。

 「iDeCo」については、4月までの4カ月間で新規加入者数がすでに約19万人であり、「ふるさと納税」のスタート当初よりも、よほど大きな需要があることがわかります。両者に共通するのは「税控除」という節税効果です。ただ、寄付行為という、その時限りの「ふるさと納税」と比較して、「iDeCo」は60歳まで継続する長い制度であり、かつ、毎月5,000円以上(年6万円以上)のお金を継続的に出す制度であることを考えれば、よほど大きな決断を要する制度といえます。知名度そのものが低いにもかかわらず、年間で50万~60万人の純増を実現するペースで新規加入者が増えているのは、潜在的なニーズの裏返しといえるのかもしれません。

 また、VOYAGE GROUPのアンケートでは、個人型確定拠出年金の利用意向も聞いていますが、「すでに加入している」が8.6%、「加入手続き中」が2.4%、「詳しく情報を知り、加入したい」が20.7%、「わからない」が36.2%でした。「加入したくない・できない」は31.7%でしたので、「加入したい」「わからない」を合わせて約57%の人が加入の可能性があります。すでに加入している人も含めると加入に前向きは全体の67.9%を占めるともいえますので、相当大きな需要があることがわかります。


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出所:VOYAGE GROUP調査

 このような大きな潜在需要を顕在化するためには、「iDeCo」について、より広範囲な広告宣伝活動が必要でしょう。iDeCoの普及について運営管理機関など関連機関が連携して取り組む確定拠出年金普及・推進協議会のiDeCo広報実行委員会が今年度の広告宣伝活動を本格化しようとしています。7月下旬にはテレビCMも流れ、再び「いま、できる、こと。イデコ」がテレビやネットなど巷にあふれる1週間がやってきます。すでに、国民年金基金連合会のiDeCo公式サイトはリニューアルされ、マンガ・アニメでわかるiDeCoの解説コンテンツも充実しています。まずは、「iDeCo」という名前を覚えてもらうことです。今年度は7月下旬に加え、来年1月上旬にもテレビ広告を実施する強化期間が設けられています。継続して広報活動が繰り返されることで、iDeCoの利用は着実に広がるものと期待されます。

【iDeCo Q&A】
Q iDeCoとは何ですか?
Q iDeCoは何の略ですか?
Q iDeCoのメリットを教えてください。