資産管理コラム

教えて! iDeCoのパッシブファンド

2017/05/16 16:24

 iDeCoの運用の中心となるものが「パッシブファンド」と呼ばれるファンドです。メガバンクのiDeCoでは、商品ラインナップの全てのファンドがパッシブファンドになるなど、投資信託業界内の中でパッシブ化が進んでいます。今回はパッシブファンドの特徴について見ていきましょう。

 そもそも、iDeCoで運用するファンドは、大きく分けると、ベンチマーク(日経平均株価などの指数)に連動する運用成果を目指す「パッシブファンド」と、指数を上回る投資成果を目指す「アクティブファンド」に分けられます。主な特徴は下記の通りです。

図1:パッシブ運用とアクティブ運用

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出所:モーニングスター作成

 パッシブファンドはアクティブファンドに比べ、ファンドマネジャーと呼ばれる運用担当者が介在しない分、コスト(信託報酬)が安いという特徴があります。パッシブファンドの基準価額は、基本的に指数と同じように動くのに対し、アクティブファンドは指数を上回る運用成果を目指すため、パッシブファンドに対し価格変動が大きくなる傾向にあります。

図2:パッシブファンド・アクティブファンドの動き方

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出所:モーニングスター作成

 運用でベンチマークに勝てたかどうかを示す勝率も、実際にはパッシブファンドの方が高いという結果も出ていることから、僅かな優れたアクティブファンドを選ぶよりも、コストが安く、投資初心者にも分かりやすいパッシブファンドが推奨される傾向が強まり、現在、iDeCoなどを問わず投信業界全体でパッシブ化の風潮が強くなっています。

 では、パッシブファンドを選ぶ際の注意点はあるのでしょうか。下記の図をご覧ください。これは各社のiDeCo採用ファンドで国内株式パッシブファンドの信託報酬(税込)を比較したものです。信託報酬とは、保有している期間中にかかる手数料です。「年率○%」という形で率が決まっており、日々純資産総額から差し引かれます。

図3:iDeCoファンドの国内株式パッシブファンドの信託報酬比較

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出所:モーニングスター作成

 同じ運用成績を目指すパッシブファンドでもファンドによってコストは様々です。コストが一番安いファンドでは0.15%近辺である一方でコストの高いファンドは約0.85%と5倍以上もの差が生じてしまうのです。この時、100万円の資金を10年間運用した場合、コストの差は約7万円にも上ります(資金の拠出、複利運用は考慮しないものとする)。

 参考までに、モーニングスター類似ファンド分類(運用方針が同様の類似ファンド群)平均(DC専用、ETF含む)において、2017年4月末の日経225連動型の平均信託報酬(税込)は0.48%、TOPIX連動型は0.42%となっています。最近は各社のコスト競争が激しく、低コストファンドが続々と新規設定されています。モーニングスターのホームページのスナップショット画面にはカテゴリー内の平均コストが掲載されています。金融機関を選ぶ際には、コストにも注意を払い、運用商品に低コスト商品がラインナップされているかも念頭に置いてみましょう。