資産管理コラム

iDeCoのメリットを正しく理解していますか? 陥りやすい落とし穴

2017/03/31 19:49

 今年1月から鳴り物入りで始まったiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)。「5,000円から誰でも始められる」「3つの税制メリット」など、iDeCoのイイコトは、ちょっとこれまでにない大きなメリットであることは確かなことです。毎月の掛金が1.2万円や2.3万円など限られていること、また、60歳まで引き出せないことなどはホントに些細なことで、「老後に備える」という目的のためであれば、最優先で検討すべき制度であることは間違いありません。ただ、「節税効果」だけでiDeCoを考えていると、「とらぬ狸の皮算用」のような結果が待っているかもしれません。ここは改めて、iDeCoの節税メリットについて現実的に見直しておきましょう。

掛金の全額所得控除=運用利回り?

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出所:モーニングスター作成

「掛金の全額所得控除」って、当然、資産運用利回りとは関係ない話

 iDeCoで一番大きな節税効果が得られるのは、「掛金の全額所得控除」の効果。たとえば、年収450万円の30代のあなたが、iDeCoを使って毎月5,000円を積み立てたとします。収入から給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除などを差し引いた課税所得で計算すると、1年間で得られる税の軽減額(所得税+住民税)は12,000円になります。積立額が年間6万円ですから、軽減効果は積立金額に対し年率20%になります。

 この20%はキャッシュで得られる金額です。たとえ、元本確保型の定期預金で積み立てても、20%のキャッシュバックは変わりません。一般の銀行口座では定期預金にしても1年で0.01%ですから、iDeCoの効果は抜群です。これをもって、iDeCoでの積立は年20%の利回りに等しいなどという言い方をする人もいます。

 ところが、このキャッシュバックは、iDeCoの口座の中には入っていきません。税額が調整されて給与口座に入ります。「老後の備え」で始めたiDeCoで得られる節税効果が、現在の生活を潤すことに変質してしまうのです。「掛金の全額所得控除」は、大きなメリットなのですが、せっかくの控除で戻ってくるお金を、日々の生活のために使ってしまっては、もったいない話になりませんか?

 所得控除でもどってくるお金を、iDeCoの口座に戻して、ずっと積み立てていけば、60歳になるまで税控除だけで30万円以上のお金になります。積立金額を増やせば、その分だけキャッシュバックの金額が増える計算です。12,000円のキャッシュバックを使ってしまうのはたやすいですが、使わずに残しておくと、なかなかの金額になります。老後に向けて、頑張って掛金を増やせば、その効果が確実に将来の年金額を上乗せするようにしたいものです。節税額をiDeCoの口座に戻す仕組みを作ると、もっと頑張りがいのある制度になると思うのですが、いかがですか?

2018年1月から掛金限度額の年単位化を利用して節税メリットを満額に

 2018年1月からは、iDeCoの掛金の限度額が、現在の月単位から年単位に変わります。年末調整の戻りがある12月には、節税で浮いた分を上乗せした増額するという取り組みもできるようになります。「老後準備(iDeCo)のメリットは老後に」という取り組みを意識してやることによって、iDeCoのメリットを満額で受け取ることができます。せっかくの努力がキチンと報われるために。iDeCoの制度も使い勝手良く変わっていきます。