資産管理コラム

iDeCoファンドの新潮流!最近の組入れファンドの特徴はこれだ!

2017/03/02 16:39

 iDeCo(個人型確定拠出年金)法改正に伴い、加入対象者が大幅に広がってから1カ月が経った。2017年1月より公務員、専業主婦なども対象に入り、引き続きiDeCoの新規加入を検討している方も多いと思う。加入時には運営管理機関と呼ばれる金融機関が提供する商品ラインナップの中から自分に合った商品を選ぶことになる。金融機関の変更は、手続きでは可能であるものの、変更時には手数料がかかったり、一旦全資産を売却する必要があるなど、なかなか現実的ではないため、最初の金融機関選びが大変重要となる。そこでiDeCoの取扱いファンドの特徴、と最近の組入れファンドの傾向に焦点を当てた。

 基本的に、iDeCoの取扱商品は、信託報酬と呼ばれる手数料が通常の公募ファンドに比べ比較的安く設定されている。また、商品名に「DC」などと付いた専用商品は確定拠出年金でしか購入できず、公募ファンドで同じ商品があったとしても販売手数料が無料、信託報酬が安く設定されているなど、iDeCoで購入するのがお得というわけだ。

 各社の商品ラインナップは、国内外の株、債券やバランスファンドというのが一般的である。しかし、加入者からのニーズの高まりや、確定拠出年金以外の公募ファンドでの人気の高まりから最近は組入れファンドにも新たな特徴がみられる。最近の組入れファンドの傾向は以下の3つである。(1)公募ファンドの低コスト商品シリーズの組入れ(2)REITなど株、債券、バランスファンド以外の商品の組入れ(3)機動的に資産配分を行うバランスファンドの組入れ、である、以上3つを1つずつ見ていきたい。

公募ファンドの低コスト商品シリーズの組入れ

 SBI証券、楽天証券、みずほ銀行などは今回の制度改正に当たって新たにラインナップを追加・新規設定した。そこでは「eMaxis」シリーズ、「たわらノーロード」シリーズなどが目に留まる。通常であればコストの低いDC専用のパッシブファンドを設定するのだが、あえて公募の低コストファンドシリーズの組入れを行うのはなぜだろうか。理由の一つに、例えばある銀行でNISAや一般口座で運用を行っていた場合、その銀行のiDeCoに、同じ商品や、名前の聞いたことのあるインデックスファンドシリーズがあれば加入者は手が出しやすくなる。月報やレポートなどの開示情報もDC専用ファンドに比べ充実しており購入後の運用の管理、モニタリングもしやすくなる。制度改正にあたり、各社がラインナップの見直しを行った際に、メガバンクや地方銀行は、より投資初心者でも理解しやすい商品の組入れをおこなったのも背景の一つであろう。一方SBI証券では海外株式に「iFree NYダウインデックス」を組入れるなど、DC専用ファンドにはない特徴的なインデックスファンドをコストも安いiFreeシリーズから組入れている。金融機関を選ぶ際にはこういった点にも着目してみよう。

図表1:iDeCo・NISA・課税口座の違いはこれだ!

インデックスシリーズ iDeco取扱い金融機関
eMaxisシリーズ 三菱UFJ銀行、SBI証券、横浜銀行 など
たわらノーロードシリーズ みずほ銀行、第一生命 など
iFreeシリーズ SBI証券、滋賀銀行 など

※ 2017年2月末現在、モーニングスター調べ
出所:モーニングスター作成

REITなど株、債券、バランスファンド以外の商品の組入れ

 次に最近の傾向として顕著なのが、加入者のニーズの高まり等から株、債券の伝統的資産+バランスファンド以外にもREIT等の商品をiDeCoのラインナップに加える金融機関が増えてきた。新たな資産がラインナップに増えることは加入者の選択肢が増えることにもつながり、そして分散投資にもなるため、商品導入に積極的な金融機関を見極めることも重要だ。ちなみに、2006年12月以降のパフォーマンスを比較すると、2資産に比べ、REITを追加した6資産ではパフォーマンスも上回っていることがわかる。iDeCoは長期の運用となるため、より資産を分散させて投資を行っていくことが重要だ。

図表2:2資産、4資産、6資産の分散投資の効果

※ 累積リターンはモーニングスターインデックス(単純)を使用(大分類)
※ 期間:2006年12月末~2017年1月末現在
出所:モーニングスター作成

機動的に資産配分を行うバランスファンドの組入れ

 こちらも公募投信での人気の高まりから導入に踏み切る金融機関が増えている。機動的な資産配分とは、ファンドマネジャーの投資判断により資産の組入れ資産比率を相場状況に応じて適宜変更し、相場の下落リスクに対応したり、更なるリターンを追求するアクティブファンドである。米国ではリーマンショック以降、相場の下落リスクに備えたファンドが多数設定され、日本でも近年設定が相次いでいる。下記図表を参照すると、住友生命保険のiDeCoで導入された「SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)」(以下、当ファンド)と、当ファンドが属するカテゴリー平均(モーニングスターインデックス「バランス・安定成長型」)のファンド設定来のパフォーマンスの比較である。当ファンドは下落局面に安定資産を増やし、上昇時には成長資産の割合を増やすという方針のもと運用を行っており、相場下落時ではカテゴリー平均よりも下落幅が抑えられているのが見て取れる。

図表3:「SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)」とカテゴリー平均のパフォーマンス比較

※ ファンド設定来(2008年3月末)を100として算出
※ カテゴリー平均はモーニングスターインデックス「安定成長」に属するファンドの平均
出所:モーニングスター作成

 一方、このようなファンドはアクティブファンドのためコストが割高であること、また相場の変動により資産配分を調整するため、相場の上昇時に出遅れる可能性があるということなどは念頭に置きたい。そして、投資をする際には過去のリターンをきちんと確認し、運用方針に沿った運用がきちんとできているかなど確認することが重要だ。